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エコハウスのウソ (第4回)
空気は働き者?
前回は、途中で1回リノベーションで古~い団地が先進デザイン住宅に生まれ変わったのを写真で見て頂きました。
スッゴ~イ!と思われたでしょっ?
実は外部だけでなく内部も替わってるんですよ。
勘違いされないよう念を押しておきますが、ここ迄の発想とデザイン(技術を含む)が出来るのは「一級建築士」ではなく、「建築家」の一部であるということで、一級建築士の中の0.1~0.2パーセントくらいの人々です。
そこらのリフォーム屋さんや業者さんには夢のような芸当?です。あなたの家のリノベーションも、頼む相手を決して間違えられませんように・・・。
では、今回は空気環境の中の熱についてお勉強しましょう!
パチパチ♪~(*´∀`*)~~(*´∀`*)~♪
『
空気は働き者?
空気を循環させれば、簡単に空間全体の温度を均質にできる・・・。そうしたイメージが広まっているが、それほど空気は「働き者」なのだろうか。東京大学の前准教授は、疑問を投げかける。
エコハウスでは、太陽熱やエアコン・薪ストーブの熱、床下の地中熱などを、ごく簡単な空気循環の仕掛けだけで家の隅々まで届けることができるかのような「概念図」が多く見られる。どうやら空気は「たくさんの熱」を「遠くまで運んでくれる」働き者という期待があるようだ。
残念ながら、熱を搬送する熱媒としてみたとき、空気は全く「期待外れ」。まず、暖めるのが大変である。空気は、熱伝達率が低く、液体と比べると非常に暖まりにくい。
流体の暖め方には、浮力により自然と行なわれる「自然対流」と、ファンなどで加熱面に吹きつける「強制対流」の2つがある。
空気を放っておくと、周りの壁・床から自然対流で熱をもらうだけなので、非常にゆっくりとしか暖まらない。嫌がる空気を無理やり暖めるには強制対流しかない。①加熱面の面積を稼ぐ、②加熱面の温度を上げる、③風速を上げて強制対流の効果を上げる、の3つしかない。空気暖房の難しさは、エアコンを例に上げると分かりやすい。
エアコンを開けると、びっしりと薄いアルミのフィンが並んでいる。①フィンで加熱面積を広げ、②フィンを通る代替フロンの温度を高くし、③ファンで風を吹きつける。ここまでやって、やっと空気を暖房の役に立つ程度に温めることができるのである。
空気は熱を「運ばない」
空気は暖まりにくいだけでなく、運べる熱量もごく限られている。水に比べると、同じ温度・体積の空気は4000分の1しか熱を運べない。よって、空気で暖房を行なうには、非常に大きな風量が必要になる。
エアコンは最も小さい6畳用の機種でも1時間に100m3から750m3もの空気を吹き出している。6畳部屋の体積は25m3程度であるから、部屋全体の空気が1時間に4回から30回も循環することになるが、そこまでしないと部屋中の空気は暖まらないのだ。温水床暖房のように水や不凍液をポンプで循環させるのが最も効率的である。
空気は「届かない」
大きな空間で、エアコンの効きが悪くて閉口した経験は誰にでもあるはず。吹き出し口近くの空気は勢いがあるが、少し離れれば雲散霧消してしまう。これは空気自体に粘りがあるため、運動エネルギーが瞬時に拡散してしまうためである。
また、浮力も問題である。吹き出す温度を上げるほど、空気は軽くなるので上方に舞い上がってしまい、床まで届かないのだ。
空気を遠くまで送り込むのであれば、ファンとダクトを用いて強制的に送り込むのが、やはり一番確実である。確かに天井裏をダクトが這い回る姿はあまり愉快なものではないが、これはやはり「必要の産物」。住戸全体に空気を循環させる空気暖房は難易度が高いので、実績のある専門業者に任せるのが安全である。
このように、空気は「受け取らない」「運ばない」「届かない」と、三拍子そろった怠け者である。過度な期待は禁物である。しかし、がっかりすることはない。我々はみな、その「怠慢」の恩恵を日々受けているのだから。
空気が水のように働き者だったらどうなるのか。20度の水風呂に入ることを想像していただきたい。水はせっせと熱を奪い運び去ってしまうので、体はあっという間に冷え切ってしまう。断熱材が空気の移動を少し抑えているだけで、熱をほとんど伝えなくなることは空気の「実力」を示している。空気による穏やかな熱のやり取りのおかげで、我々は日々快適に過ごせるのだ。感謝。
前 真之:東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 准教授
(日経アーキテクチュアNo.954 P136.より引用) 』
住宅建築・住まいのリフォーム相談『日本建築倶楽部(JAC)』
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