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前回、女性からの相談で会社を退職したことで会社から損害賠償の請求を受けそうだ・・・という相談事の続きですが、
話を聞いてみると会社側の不備がいろいろと散見された。
まず、この女性を採用する際に「雇用契約書」または「労働条件通知書」を発行していない。
この「雇用契約書」とは労働契約を締結する際に、絶対に記載しなければならない事項を明記した文書であり、雇用する際には書面で交付しなければならない。
その記載しなければならない事項には「退職」に関する事項も盛り込まれている。
たとえば、”退職するときには、30日前に・・・”とか”14日前に・・”というように具体的な内容を記載しなければならない。
労働基準法で決められていることを履行していない会社側が、いざ、退職の通知を受けたときに「うちの会社は30日前に言ってもらわないと・・」といってもこれは効力があるかというと難しい・・・というより無理がある。
労働者側から「雇用契約書ももらってないから、いつでも契約を解除できると認識していた」と言われても仕方がないであろう(労働基準法上では、労働者側はいつでも契約を解除できるとしている)。
また、この会社では残業代として給与には「固定残業手当」という名目で月に20,000円の手当てを支給していた。
しかし、話を聞いてみると朝9時に出勤して、帰りはいつも夜の10時、11時。ひどいときは夜12時まで働いていたこともあるらしい。
しかもタイムカードもきちんと打刻していたという事。
その場で、本来貰うべき残業代(割り増し賃金)6ヶ月間を計算し、今までもらっていた固定残業手当を相殺してみると・・・
6ヶ月間で約33万円の未払い賃金が発生していることがわかった。
私 「別に会社から損害賠償請求が内容証明でこようと請求書が山ほど来ようと無視していいよ。訴訟になっても会社側は、この損害が真実であるという立証責任が発生するよ。そうなったときに立証できるかというと、まず無理でしょう。逆にあなたの方は未払い賃金でこの金額を請求してみたらどう?少額訴訟でもすれば1日で結審するし、費用も3千円程度。その費用も相手に払ってもらえるけど・・」
と説明してあげると、その女性はパッと顔が明るくなり、
女性 「それじゃ、大丈夫なんですよね」と言って帰っていった。
別に私は労働者側の立場に立つつもりはない。むしろ、会社側の立場でアドバイスをするスタンスだ。
ここで言いたいのは、会社側は法律で決められたことをきちんと処理しておけば、問題は発生しない、ということだ。
ほんのささいな事をおろそかにしてしまうと、大変な損害を受けるリスクが発生する。
会社と労働者との問題の90%以上は事前に予防できることを経営者の方は認識して欲しいと思う。
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